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1元の不思議、何故か北京はお札で上海はコイン

中国人民元 1元紙幣と1元硬貨

中国の通貨の人民元(RMB)であるが、1元の通貨は硬貨と紙幣の両方が存在する。上海で生活していると一元札に遭遇する機会はあまり多くなく、ほとんどが硬貨で、たまに紙幣を受け取ると大抵はあまり綺麗な状態ではなくボロボロになっていることが多い。
 しかし、今回北京に行って気がついたのだが、北京で流通している1元は明らかにお札のほうが多い。バスに乗るときは大抵一元なので、今回多用させてもらったが、ほとんどがお札である。
 これは何を意味しているのだろうか?本当の理由は調べても結局分からなかったのだが、推測するに上海でお札より硬貨が普及しているのは一つに気候の影響が大きいように思う。ご存知のように上海は高温多湿で紙にも良い影響を与えず、扱いを丁寧にしなければすぐボロボロになってしまう。なので耐久性の高い硬貨を利用していると考えられる。
 

従って南の事情に合わせるならば、全国の1元を硬貨で統一すればよかろうと思うが、北京で紙幣が大量に流通しているところを見ると、そうは簡単な事情ではないようである。
 ご存知の通り北京は中国の首都なので中国各地から大勢の人が集まってきており、その割合は上海のそれよりも高いと思われる。上海や北京の大都市こそ今では非常に経済が発達し、労働者の賃金が高騰しているが、地方の田舎では1元も高額紙幣の一つとして流通していると思われる。
 田舎では1角(1元の1/10の価値)のさらに下の「1分」の硬貨も流通し、普通に通用しているらしい。それが証拠に日本円を銀行で両替すると1分硬貨を受け取ることがあり、先日も何枚か受け取った。会社の中国人の訪ねたところ、1分では買えるものはないが田舎に行けば5分出せば買えるものがあるという。
 

 また人から聞いた話であるが田舎で子供にお小遣いとして、1元を渡すと気前が良すぎるようで1角で十分だという。つまり1角やそれ以下で買えるものが存在するということである。上海で生活している限りは1元未満のものなど、ほとんど想像できないが、それだけ上海や北京の大都市と地方の田舎の農村では経済格差が存在する。つまり田舎では1元札は高額紙幣なのである。従って高額紙幣であるからには大量に持ち歩く必要もあり、硬貨では数えるのも持ち歩くのも少々都合が悪い。さらに製造コストもかなり異なるらしいい。首都であるが故に地方との結びつきが上海よりも強い北京ではコインではなくお札が1元という通貨の主流なのであろうと思われる
 以上は私の勝手な推測であるがこのコインとお札の違いは、中国の経済事情を考えるにはとても面白い材料である。

原文

上海ワルツ:
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