先日、ある上海に来たばかり方のブログで上海のタクシーでぼったくられたようだというようなことが書いてあった。
そのブログによると、途中からメーターの上がり方が速くなったとのこと。
まあ実際にぼったくられたかどうかは、当時の事実関係を細かく調査しないとわからないが、こういった被害情報の一部は上海や中国のタクシーの運賃体系を知らない点からくる誤解も多々あるような気がする。
以前にも、「遠くに行くほど割高になる中国のタクシー」で書いたが、上海のタクシーは実は乗車距離が15キロを超えると運賃単価が50%アップするような仕組みになっているのであり、途中から料金の上がり方が速くなったという現象は、この状況と合致するからである。
つまり遠くへ行けば行くほど運賃が割高になるような運賃体系なのである。
上海のタクシーに限らず、中国のタクシーの運賃体系は概ねこのような体系で、運賃単価が上がる距離ポイントはそれぞれ異なれど、ほとんどが遠くに行くほど割高になる仕組みになっている。
何故こんな体系になっているかというと、タクシー運転手に対する回送補償が含まれているからで、つまりあまり遠くに行ってしまうと戻る経路では営業ができずガソリンを無駄に消費するので、その分を補償するために運賃に上乗せしている。
いずれにしても上海(中国)のタクシーは、市内の一定距離を超えると運賃が高くなる仕組みとなり、それを勘違いしてボラレたと思ってしまうケースはあるのかと察する。
中国に対する先入観も大きく影響しているだろう。
もちろん、遠回りなどをして多く料金を取ろうとする雲助タクシーも未だになくならないが、少なくとも上海においてはそういった被害の報告はかなり少なくなっている。
その理由として、GPS追尾装置の発達で、運転軌跡の調査が容易になり、タクシーセンターに訴えることで意図的な遠回りはすぐばれてしまうので、不正は行いにくくなっているといった技術の進歩がある。
よって、上海でタクシーを利用する際には、先日紹介した「百度マップ」の機能で料金相場観を把握しておけば、必要以上に疑心暗鬼になって被害を怖がらなくてもよいのである。
万が一酷いなと思った時だけレシート(ファーピャオ)をもとに、被害調査を依頼すればよいのだと思われる。