上海生活が長くなってきたので、当たり前の風景として見ていたが、上海の地下鉄の構内設備は、乗客への情報伝達より商業主義的性格が先に立っていることに気がついた。
例えば下記のホームの列車接近表示である。
天井から吊るされる大型モニターの画面の内、4分の1程度の幅に運行情報が掲載されており、次発、次々発までの待ち時間が表示されているが、残りの4分の3は、CMなどPR映像に使われてしまっている。
故に、モニターからちょっと離れてしまうとCM情報ばかりが目に入り、肝心の運行情報は目に入ってこなく、字が小さすぎるため読み取れない。
これでは情報掲示として使い勝手が悪くあまり役に立っているとは言えない。
広告のついでに情報が載せられているといった印象だ。
日本だとこのポジションは列車情報オンリーで広告は非常に少ないのではないかと言う気がする。
ただまぁ、このホームのモニターは運行情報が載っているだけまだマシで、車両内に設置されているモニターなどは広告オンリーで、安全啓蒙の映像なども流れているが、その列車が今どこの駅を走っているかなどの、乗客向けの情報案内などは一切ない。
運行位置などは、別のLEDライト式の表示板が用意されているが、これは設置場所が悪くて見にくい上に、駅名の字が小さすぎて読みにくかったりしてとても使い勝手が良いとは言えない。
やはりCM情報が流れる液晶などに、運行情報を流すのが親切であるが、その位置は広告オンリーなのである。
このあたり、最近の日本の首都圏の近郊列車は概ね、車内に情報提供液晶パネルが設置されるようになっており、乗換案内まで丁寧に表示してくれる
もちろん広告も表示されるが、基本的には運行情報が主である。
ちなみに以前、寧波の地下鉄に乗ったことがあるが、寧波の場合は面積的に広告を占める割合が多くはあるものの、一応停車駅の情報案内などが考慮されていた。
どうやら上海の地下鉄だけ取り残されているようである。
上海の街も万博などを経てITテクノロジーなどは進化したはずだが、どうもまだ細かいところに目が行き届かず中国の中でも取り残されているのが現状のようである。
スマホで改札通過より、こちらの方が先ではないかと思うのだが。