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道具自慢する奴ほど仕事をしない

iPadが日本で発売された。

 この製品の良し悪しについては手にしたわけじゃないので何も言うべきところはないが、iPadに限らず、この手の話題の新製品を手にして自慢する人ほど間抜けなことはない。

 あのような新製品ツールは、手にしただけで仕事ができるようになったとか、仕事をしたつもりになってしまうような一種の勘違いの催眠術にかかりがちだが、もちろんそれは大いなる勘違いでしかない。

 つまりツールはツールでしかなく、本来の仕事は仕事の結果で評価が決まるので、道具を自慢しても何にもならないからである。

 しかも本当に仕事を頑張っている人は、仕事の中身ではなく道具を評価されることを嫌がるであろうというのは想像に難くない。

 何故ならツールのお陰で仕事に成功したといわれてしまったら、誰でもそのツールを手に入れれば仕事ができることになってしまい、本人の評価は上がらないからだ。

 また、実際にもしそのツールのお陰で仕事を成功したとしても、普通のビジネスマンの感覚ならば簡単に自分の手の内を明かさないのが、競争社会の常識である。

写真はイメージ

 自分はこのツールをこうこう利用したから私は成功したんだなどと、手の内を明かしてしまうような行動は全く間抜けともいえ、もしそれをライバルに真似されてしまえば、競争社会の中で敵に塩を送ってしまうことになるからである。

 仮にもし手の内を明かすことがあるとすれば、もうその時点で手の内を明かすこと自体が目的となり、もともとのビジネス競争からは一歩退いた意味合いになる。

 結局のところ、新製品ツールをわざわざ自慢する人は、それを生業とする人かほとんど仕事をできない人が催眠術にかかって自慢することに他ならない。

 能ある鷹は爪を隠すのである。

上海ワルツ:
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