日本の国債残高が2009年度末に900兆円を突破する見込みとの発表が日本の財務省からあった。
900兆円といわれても、まるでぴんと来ない数字だが、国民一人当たり684万円だそうだ。お年寄りから赤ん坊まで皆が700万近くの借金を背負った格好になる。
日本人の平均世帯年収が600万円程度であるから、年間の収入を全て借金返済に充ててもまだ足りないことになる。
しかもこれは世帯収入だから平均世帯人数の2.58人をこの国民一人あたりの国債発行額にかけると、一世帯あたりの国債残高は1764万円で、全世帯が全ての収入を借金返済に充てても丸3年かかってしまう金額になってしまう。
つまりは結局途方もない借金額であり、日本という国の財政がいかにどうにもならない状態になっているのがよく分かる。
ではこれを減らすにはどうしたらいいか?
答えは単純である。収入の範囲内で借金を返済していき、新たな借金をしないことである。
上記の平均世帯年収の数字の例を使って言えば、例えば600万円の世帯年収のうち約1/3にあたる180万円を借金返済、つまり税金として収めて国の借金返済に充ててもらえば10年で借金はなくなる。
しかしこれでは国の公共サービスの運転資金がなくなってしまうため、180万円の税金のうち半分を公共サービスの負担分とし、半分を借金返済に充てて返済期間を倍の20年とするか、世帯年収の半分を税金として収め、180万円を借金返済に、120万円を運転資金いに充ててもらえば、やはり10年で借金はなくなる。
実際の借金額に置き換えると毎年90兆の返済をすれば10年で借金は無くなり、45兆ずつ返済すれば20年かかるということになる。
現在の国家予算が補正も含めて90兆超であり、税収が40兆ほどであることを考えれば、20年で返済するにしても、ざっくり税収を2倍にして国家の事業を半分にする必要がある。
もちろんこの計算は利息を考慮していないので実際にはこの返済期間はもっと延びる。
年収の1/3とか1/2を10年も20年も税金に取られてしまうのは今の日本の社会生活の常識から言えばとんでもないことであるが、現実にそれだけの国が借金を背負っているということは、国外にそのお金が流出していない限り直接的間接的に身の回りの何かに化けてばら撒かれていることになっている。
いらない公共工事やわけの分からない公共施設であろうとも国の税金がそこに使われれば、国民にその恩恵の実感はなくとも<国民が恩恵を受けたことになっており>、いままさにその国の借金がツケとして国民に背負わされようとしているのが現実なのである。
過去を嘆いてももう出来上がってしまった借金は後戻りは出来ないし、帳消しもできない。この借金をきちんと返せるかどうかはこれからの政府コントロールや国民の意識にかかっている。
これからは国のサービスは今までの1/2になるかも知れないのだから、頼ることを期待してはいけない時代になった。そう覚悟しておいたほうがいい。