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肉を分けない肉屋

こちらでレストランのシェフをしている方に伺ったのだが、上海の地元の肉屋は肉の部位を区別しないそうだ。つまりロースだのリブだのヒレだの区別がなくて豚肉は豚肉でしかないというのである。日本だと部位によって値段が違うのでそれぞれ分類されて販売されているのだが、こちらのお客さんはあまり気にしないらしく、売るほうも重さでしか値段を決めていない。従ってそのシェフが幾ら説明しても一向に希望の部位を持ってこない。何度か説明の後、ようやく持ってきたそうだ。また肉屋のクセに肉の質に関しても無頓着だそうで、日本だったらとても売り物になりそうにない肉を平気で持ってくる。
 鮮度的にも食べられるか食べられないかのぎりぎりのものが多いそうだ。
そのシェフは可能な限り新鮮な物を選んでいるが、肉の質には何時も苦労させられているといっていた。
 
更にいうと、実はその肉屋は別の某日本食スーパーを名乗る店に何年も納入しているらしいのだ。その店では毎日精肉やお弁当などの加工品が売られている。シェフもそのお店の勧めで、その肉屋を紹介してもらったらしいのだが、肉の質を見て今まですっとその品質の肉が納入されていたのかと思うとシェフはぞっとしたと言っていた。
 この店は例の密輸入品らしき日本製品が多い店でもある。こういう店が日本品質スーパーを名乗って看板を掲げているような部分がまだ上海の中国的なところであるのかもしれない。

上海ワルツ:
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