商標関係の仕事をしている人から聞いたが、中国は商標競争がとても激しいようだ。
そもそも人口が多く、起業意識も高い中国では日々沢山の商標が申請される。
さらに、商標の分類区分も非常に細かく分かれおり、ある会社が一つのブランドで多くの商品展開をする場合、現在必要な区分+将来必要となりそうな区分を併せて押さえておく必要があるようだ。
当然手続きするのにもお金がかかるが、押さえてしまわないとその商標のブランド名で商品展開出来なくなったり、偽物が登場した際に対抗できず、相手方に母屋がとられてしまうようなことだって起こりうる。
よって、なるべく手広く商品区分を押さえて商標を取得する必要がある。
しかし、商標は広く押さえて取得出来ても、そのまま未来永劫安泰という事にはならない。
3年間その商標を登録されている商品区分で使用していない場合、その商標を使用したい他人が、商標権の取り消しを求めて訴えを起こすことが出来るのである。
このあたり日本の法律も同様になっているようだが、中国の方が、市場が大きい分だけ競争が激しい印象ではある。
そういった中国での商標を目論むのは日本から進出する日本企業も例外ではなく、多くの企業が中国市場において、自社ブランドの登録を申請している。
ところがである。
日本企業の申請は、類似重複が多いなどの理由で却下されるケースが少なくなく、それが理由で中国進出の壁になっているケースも少なくない。
日本国内でブランド名などを決める場合は、日本語をブランド名として使用する場合ももちろんなくはないが、多くの企業が英語名やフランス語名などを使用して日本国内で商品展開している場合が多い。
その方が日本人は格好いいと感じるからである
ところがその商品を持って中国に進出しようとすると、中国市場における国際間競争にさらされてしまう事になる。
当然のことながら、中国市場には英語圏やフランス語圏の企業も進出してきており、当たり前だが彼らのブランド名は英語表記でありフランス語表記である。
そこへ和製の英語表記や仏語表記のブランド名を持ち込んだところで、既に抑えられてしまっている場合が少なくないのである。
しかも同じ商品分類のブランド名は、ボキャブラリーの選択幅が狭いので、被りやすいのである。
つまり日本国内ではおしゃれな印象かつ貴重で人気があったから、外国語のブランド名を選択し使えていたとしても、外国に進出した途端に、その言語の母国の企業とバッティングしてしまう事になるのである。
この場合、もし既に日本国内で広く市場展開してしまっていれば、今更ブランド名を変更することも大変で、対応に苦慮することになる。
まあ商標申請が却下された際の対応は、各企業それぞれのようだが、苦労している事には変わりはない。
こういった苦労を避けるには、国際的な市場展開を意識している企業の商品展開は、最初から国際展開を意識したブランド名を選ぶべきだろう。
一つは外国語に安易に頼らない事が基本だが、どうしても外国語を採用したい場合は、インターネットの検索エンジンなどを活用して。世界中に似たような言葉が商標や企業名・商品名などに存在しないかを予め調査してから選択決定すべきだろう。
そうすれば、先々に国際展開した際に、国外での商標申請の段になって却下され慌てることもなくなる。
今や世界中がインターネットで繋がっている時代であり、日本で外国語のブランド名や商標名を決定する場合は、将来的な海外進出の可能性が薄くても、ブランド名商標は最初から国際競争を意識して決めるべきなのだと思われる。