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実は中国人は磁石をあまり知らないらしい

 日本では小学校低学年から磁石について、色んな教材や子供向け雑誌、テレビ番組などで繰り返し教えられているので磁石というものの存在をしらない人はまずいない。

 難しい理屈は分からなくても磁石は「鉄にくっつく」というこのくらいのことは、普通の教育を受けた人ならほぼ100%の人が知っている気がする。

 ところが、中国の多くの方は磁石そのものが何ものであるか全くわかっていないというようなことを昨日耳にした。

 なんと中国の学校の理科の時間では磁石について一切教育していないのだという。

 もしこれが事実だとするなら、磁石の存在が常識として備わっている日本人の自分からすると非常に驚くべき発見である。
 故にいい年した大人の中国の方に磁石を見せて鉄にくっつけたりすると、非常に驚くらしい。そんな驚く姿を見たらこちらのほうが驚きだ。

 羅針盤を発明したのはこの国だからである。言うまでもなく羅針盤は磁石の原理を利用している。

 世界で初めて営業運転をさせたと言われる上海のリニアモーターカーも、磁力で浮上させて走る列車であるということは日本人であるならば大抵の方が理解していると思われるが、上記の話が本当ならば中国は国民の大半が磁石というものを理解しないままリニアモーターカーというものを受け入れたことになる。驚くというか何も基礎技術の理解がないまま営業運転を開始させてしまうこの国の無謀さにはちょっとあきれてしまう。
 

 まあ最近の上海ならば、外資企業のオフィスなどにはホワイトボードのようなものは必ず設置されているだろうと思われるので、そういった会社に入ればホワイトボードに貼られたマグネットを見てを磁石がどんなものかぐらいのものは取り合えず理解するであろうが、それとリニアモーターカーが同じ基礎原理のもとで動いているとは容易には信じまい。

 ひょっとすると磁石、磁力というものは21世紀の最新ハイテクノロジー技術だと感じているのかもしれない。そう考えるとたかが磁石のことであっても、小さい頃から身近に学んできた差というのは非常に大きいなと感じてしまう。

 こんな教育の状況であれば、テレビショッピングで分けの分からない商品が、万能健康グッズとしてどうどうと売ることができてしまうのも理解できなくはない。
 馬鹿にするわけではないがこの国の初等教育は識字率をあげることが大事で、理科系の基礎原理を教えることにはまだ手が回っていないというのが現実のようだ。
 これらはまだ聞いただけの話なので、今日か明日にでも事実を確かめるべく知り合いの中国人に聞いてみようと思う。

上海ワルツ:
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