日本の会社で働いていたとき、非常にモチベーションが上がらなかった要因の一つに、幾ら頑張ってもなかなか給料などの結果に反映されなかったということがある。
年一回の昇給のタイミングまでに良い成績を上げておけば、ほんの少し給与が上がる要素があるのだが、まあ時代も悪かったため、良かった時と悪かった時の上がり幅の差はほんの少しであり、仕事の内容はともかくとしてある意味緊張感のない遣り甲斐のない仕事であった。その代わり、悪くても普通にやっていれば、給料は基本的に緩い角度といえども必ず右肩上がりであり、滅多なことでは首になったりするような心配はなかった。
しかし、中国に来てからは全く状況が変わった。ただ仕事をこなしているだけでは自分の給料分すら稼げない。とにかく仕事は攻めの姿勢がないと収入に繋がらない。
ある中国人の友人が、「私はノーミスなのに評価されない」と嘆いていたが、仕事というのはノーミスを求められているのではない。
もちろんノーミスであることが理想だが、それよりも最終的に利益があるかどうかが大事なのである。ミスによって利益を失う場合が多いからミスを嫌うのであって、ミスがあっても最終的に利益に繋がっているのであれば、ミスにこだわりすぎることは意味がない。
とにかく、会社に雇われて一応給料という形でお金をもらっている身ではあるが、自分が手を抜けばあっという間に自分に跳ね返ってくる。自分の食い扶持は自分で稼がなくてはならない。
他人がどこからか持って来る仕事をノーミスでこなしていれば生活できるという考え方は、中国に来てからなくなった。