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食堂化する上海のファミリーマート

 かなり以前から上海でも日本の三大コンビニチェーンが幅を利かせている現状になっているが、最近では日本にはあまり見られない独自の進化を上海のコンビニは遂げている。

 その一つがコンビニの食堂化である。

 食堂化と言っても何も従業員が料理を運んできてくれる訳ではないのだが、コンビニで売っている弁当などを、その場で食べられるように飲食スペースを設けているコンビニの店舗が増えてきているのである。

 あまりスペースの無い場所だとカウンター程度のものしか設置されないが、広いところになるとテーブルと椅子を幾つも並べ、食堂や会議室並みのスペースをもったコンビニ店舗まで出現している。

上海のファミリマートの飲食スペース


 昼前後になるとお弁当の会計を済ましたホワイトカラー達がこのスペースのテーブルに弁当を置いて食事をするのである。

 まあ我々からすると未会計の商品まで食べられてしまうのではないかという心配は湧くが、多少のそういった被害が発生する余地はあるにしても、こちらの想像以上に支払いに対する倫理観は保たれているようで、仮に損害があったとしても、食べてもらう利益のほうが損害を上回っている状態となっていると察せられる。

 このコンビニの食堂化日本ではあまり見かけない光景であり、ミニストップ辺りがこういった運営形態をやっていたが、賃料の高い場所への立地が多く、保健所のうるさい日本のコンビニではほとんど行われない食堂化が、ここ上海では行われている。

 どうして上海だけこういった進化になっているのか詳しい理由は分からないが、上海では恐らく飲食用スペースに対する法規制が緩いのではないかと考えられることと、上海の会社が福利厚生の面で弱く、オフィスのデスクや休憩所など食事スペースが不足気味な面があるのではないかと察せられる。

 いずれにしても、日本でもお馴染みの3大コンビニチェーンは上海で独自の進化を遂げている状況となっており、日本とは違ったコンビニ風景が生まれ始めている。

まるで喫茶店のような雰囲気

上海ワルツ:
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