一昨年くらいから上海において、コンサート通いを復活させ始めているが、クラシックのコンサートのチケットは決して安くはない。
まあたまに20元とか30元とかで聴けるコンサートもないわけではないが、大体が最低でも1回180元くらいの出費となる。
私などは席の位置にこだわらないし、コンサートホールの響きの中に身を置いて、生の演奏に接することが出来れば満足な人間なので、どんなに端っこの方でも構わないのだが、そんな席でさえ100元以下が設定されていることは滅多にない。
しかも月1回程度の出費なら止むを得ないが、それではなかなか物足りなくなってくるので月2~3回通うことになり、その分だけチケット代が嵩んでくる。
これらをもっと安く済ませる方法を探していたところ、運が良ければチケット代が半額以下になる可能性のある方法を見つけた。
それは、2次チケットエージェントを通して買う方法である。
中国には「摩天輪」や「票牛」などのサイトなりアプリなどのチケットサイトがある。
これらのサイトでは、公式サイトではSOLDOUTになったようなコンサートでもチケットを扱っていたりするので私も時々覗いている。
このサイト、人気の公演などではチケットは残っていても、金額が上乗せされているような状態になっており、いわゆる日本のオークションサイトのような状態になっている。
ただ、逆にそれほど人気のない公演だったりすると、販売額が額面割れしているような場合もあり、運が良ければ額面の半額以下になっているようなこともある。
先日も、この票牛のサイトで、上海フィルの公演について額面が380元のチケットを、135元で手に入れて聴くことが出来た。
完全に半額以下である。
まぁ、ここまで安くなっていることは滅多にないのではあるが、額面より1~2割安くなっている公演は結構見かけるので、こういったシステムを利用すると、コンサートチケットを安く手に入れられるし、運が良ければ半額以下になる場合もあるのである。
支払いは微信支付か支付宝などの電子マネー払いであっという間に終わり、支払い後にチケット手配完了と受け取り方法を知らせるショートメールが届く。
なお、この方法でのチケット購入には、若干の中国語力が要求される面もある。
一番面倒なのはチケット受け取り時である。
何週間も前からチケットを購入した場合は、事前に指定先へバイク便で送ってくるから住所さえスマホ上で打てれば中国語力はそれほど必要ないが、直近で購入したりした場合は当日の公演直前に会場受け取りとなる。
配送員が当日の公演開始1時間前くらいにやってくるので、電話で連絡を取りながら配送員を見つけ、チケットを受け取ることになる。
当然先方は日本語も英語もできないので、中国語で意思疎通をする必要があるのである。
どういった仕組みでこのようなチケット手配システムが成立しているのかわからないが、恐らくダフ屋が正式にビジネスとして立ち上げたダフ屋連合的な仕組みなのであろう。
恐らくこれらは公演主催者にとっては非公式のサービスであり、このチケットについて公式窓口に問い合わせても、うちは関係ないといわれてしまうので、あくまでも連絡先は購入サイトととなる。
中国で白タクがビジネスとして公式化してしまっているのと同様に、ダフ屋も公式ビジネス化してしまっているのだと推測される。
その証拠として、会場近くでチケットを渡してくれる人はダフ屋の一人と目される人だったりするのである。
しかも複数のサイトのお客を一人で扱っている人もいる。
そういえば、中国語でダフ屋は「黄牛」であり、「票牛」の「票」は「漂亮=綺麗の意味」に繋がる面もあって、差し詰め「まっとうなダフ屋」という洒落なのかなとも察する。
まあこのビジネスが社会的に法律に全く反しないのかどうかは分からないし、いつまで続くビジネスかわからないが、今のところトラブルもなく便利に利用させていただいている。