よく国政において、衆参のねじれが問題などと言われるが、個人的には物事が独裁的に暴走しないように多少なりねじれていた方がいいのではないかという気がしている。
とはいえ、衆議院も参議院もただその時の潮流に乗っかって右へ左へ政局が動いて分布図が同じように変わっていく状況だけでは、二院制である意味が無いような気もしている。
私は以前から参議院については、衆議院と別の価値観による選挙制度を実施するべきではないかと思っており、その一つの方案として人口に関係なく各都道府県ごとの定数、あるいは面積による等分で議員定数を割り振ってしまうのはどうであろうかと考えている。
つまり衆議院が一人当たりの一票の重みを厳格に求める議会に対して、参議院は空間の面で国土のバランスを考えた議会にするのである。
これにより、人口の多い都会の意向だけに流されることなく、地方が一定の力を持って歯止めをかけられる政治運営が行われることになり、もし都会と地方のねじれを生んだとしてもそれは意味あることであり、二院制である意味を持つような気がしている。
もちろん予算案などは最終的には有権者1人1票、つまり言い換えると納税者の人数に比例する衆議院の議決が優先するということは理に適っているという気がする。
この考え方はスイスの連邦制に倣うもので、スイスの上院にあたる全州議会は人口比に関わらず州ごと定数が決まっており、ウィキペディアなどのデータによると人口比で言う一票の格差は40万倍にもなるという。
まあこれは各州の強い独立性を有するスイスならではの仕組みで、日本にはそこまで強い地方の独立性があるわけではないので、同様に扱うことが必ずしもいいわけではないが、カーボンコピー議会のねじれを騒ぐくらいなら検討する価値があるよう思える。