数日前になるが、久しぶりに田子坊をちょっと訪れてみた。
案の定、春節の連休のおかげで大勢の客がいて、わさわさ人ごみ状態だった。
まあぶつからないと歩けないというほどのものではないが、立ち止まって写真を撮るのは一苦労の状態ではあった。
もとより田子坊はその独特の雰囲気から写真の撮影スポットとして人気なのだが、普段から観光客そのものが多く空間も狭いので、良いアングルで写真を撮るのはなかなか難しい。
故に私もここを訪れる度に写真には苦労しており、特に写真内に人が写つろうと写るまいと全く構わないのだが、その問題には関係なく空間の特殊性故に、中々いいアングルが分からずプロのような雰囲気を伝えられる納得の写真は撮れずにいた。
今回もやはりカメラを構えてみたものの、最初はうまく写真が撮れない状態だった。
そこで今回ある一つの方法を試してみることにした。
それはローアングルからのアッパー方向へのアングルである。
ローアングルと言っても地面すれすれからの撮影では、その恰好は傍から見るとちょっと怪しい状態になるので、流石にそこまでトライする勇気はなく、今回は立った状態から腕を下ろした位置でカメラを構え撮影を試してみた。
地面から80~100センチ程度のいわゆる子供の目線の高さであり、そこからやや見上げる角度での撮影である。
この高さでも電子ファインダーを覗くにはしゃがまないといけないのだが、そうするとこれもやはり傍から見られるのが恥ずかしいし、何よりも歩いている人たちにカメラを意識されてしまうのは避けたく、故に立ち姿勢からファインダーを覗かすにアバウトなアングル設定で撮影を実行することにした。
まあこれはさすがコンパクトデジカメの良いところで、一眼レフでは重さの面などから言って、なかなかこういった撮影は実行しにくい。
またデジカメなのでフイルムの無駄を気にする必要がないのもありがたい。
さて、そうやって撮ったのが今回掲載している2枚の写真で思いのほか気に入る写真が撮れることがわかった。
顔の高さからの撮影だと、どうしてもアングルが高過ぎて石畳の床から通路両側の建物の壁までをいっぺんに収めることは難しく、街の雰囲気が捉えづらかったのだが、今回下から仰ぐ角度で撮影することにより、その様子全体がきちんとカメラに収まるのである。
特に空が映るのが良い気がする。(今回は青空じゃないが)
まあファインダーをのぞかないで撮影する分だけ、アングルの切り方とかタイミングはアバウトになってしまうので、撮影はある意味勘任せになってしまい失敗写真も沢山生んでしまうのだが、その点はデジカメの利点を利用して出来るだけ数多く撮ってその中からいい写真を選んで駄作は捨てるしかない。
故に今回の撮影とて駄作の失敗写真も沢山生んだが、何枚かは秀作というほどではないにしろ、昔撮った写真よりは気に入ったものが撮れた。
このローアングル撮影スタイルは、上海の他の水郷古鎮の狭い路地でも使えそうで、今後是非試してみようと考えている。