昨日の9月10日は中国では教師節といって、恩師に感謝する日として定められていたようだが、それに関する不思議なニュースを見つけた。
この教師節を9月28日に変更しようとする動きがあり、その理由として9月28日は孔子の誕生日だからということらしいのだが、その孔子の誕生日自体が根拠が無く間違っているらしい。
まあ紀元前の今から2500年以上も前の事だからどの根拠も怪しいといえば怪しく、何が正確なのか自体は全て懐疑的だとは思うが、現在の定説だと紀元前523年の10月9日だったというのが最も一般的になっている。
それにも関わらず、中国国内では9月28日が孔子の誕生日として一般的に祝われている。
この9月28日の根拠として言われているのが中華民国時代の1913年に孔子の生誕を記念した式典が行われたのがきっかけとされ、それ以後は9月28日が孔子の誕生日とされているようだが、これだけではどうにも根拠に乏しい。
では、何故1913年の時点で9月28日という日にこの孔子の生誕式典を行なったのかがカギになる。
一つ考えられるのが、孔子の誕生日が旧暦で8月27日として伝えられていることである。
そこで私は1913年9月28日が旧暦の何月何日に当たるのかをインターネットで調べてみた。
すると見事に興味深い結果が得られた。
1913年の9月28日は旧暦の8月28日であったことが分かったのである。
しかも、調べたサイトは計算上得られたカレンダーであるので、実際の設定と異なることもあるとのことなので、政治的な都合などで日付がずらされ1913年9月28日は旧暦の8月27日であった可能性も無くはない。
まあその日付の計算ズレが無いとしても「8」という数字を好む中国人が式典を28日という日に合わせたということは十分考えられるし、1913年9月28日が大安の日曜日でもあったことから、当時の習慣に日曜という概念がどれだけ組み込まれていないかは分からないが、休みだったという前提に立てば式典を行ないやすい日曜に合わせて実施されただろうことは想像に難くない。
こうやって状況を整理していくと、1913年の9月28日に孔子の誕生式典が実施されたのは、たまたまその年が旧暦の8月27日の前後に当たっていたというだけで、それ以降も9月28日に孔子の誕生日を祝う根拠は何もなくなっていたことになる。
にも関わらず、相も変わらず9月28日を孔子の誕生日だと扱い続けているというのは滑稽でもあり、この国らしい出来事のような気がする。
定めた人の面子で変えられないのかどうかわからないが、上記の論に立てば、8月27日或いは10月9日を孔子の誕生日として決め直してもいいと言う気がするこの誕生日論争である。
となると教師節も10月9日となるかもしれないがこれは中秋節と国慶節が絡んだ連休政策の意味もあろうことであり、孔子の誕生日という根拠があろうとなかろうと、9月後半に定めたいというのが本音なのかも知れない。