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知り合いがタバコをやめた理由

 私はもともと喫煙者ではないので禁煙の苦しみを味わったことはないが、先日ある方から禁煙を始めたきっかけを聞かされた。
 それはあるテレビのドキュメンタリー番組を見たのがきっかけだという。
その内容とはヘビースモーカーのご主人が肺がんで亡くなったすぐ後に、タバコを吸わなかった奥さんがやはり肺がんでなくなったという内容だったらしい。いわゆる受動的喫煙と呼ばれる副流煙問題である。喫煙をしている本人が早死にするのは、本人もある程度納得ずくだったのだが、タバコを吸わない奥さんまでも道連れにしてしまう可能性があることに強烈に衝撃を受けたようだ。彼は自分のわがままで相手の寿命を縮めてしまうことを申し訳ないと感じ、それ以降タバコをやめたそうだ。

 そもそも私の偏見として喫煙習慣者というのは、喫煙のきっかけから比較的自制の意志が弱い方だという風に私は見ている。もちろん軽蔑の意味ではなく、人間それぞれが持っている短所長所の一要素として捉えているだけなので喫煙者を差別しているということではない。しかし少なくともタバコを辞められない時点で自らの健康への意志が強いとは言えないであろう。

 喫煙者に限らず、もともと人間は一人では弱い存在なので、自分のためだけでは強い意志を持てず、状況に流されやすく、なかなか自分を自制しきれないようである。
 しかし今回の彼のように、家族やパートナーの存在があると人間は強くなれるようだ。家族を犠牲にしてまでタバコは吸い続けるものではないと感じれば禁煙はたやすいように思える。

 喫煙大国と呼ばれている中国ではあるが、喫煙の害がきちんと伝わっているようには思えず、ましてや吸わない周囲の家族までが喫煙者のお陰で寿命を縮めているような状況を彼らは知る由もないと思う。。

 もし彼らがこのことを知ったら彼らはどう行動するのであろうか?これは単に公共の場所の喫煙マナーとかいう表面的なものでなく、家族の健康をどう考えるかという根本的な問題である。ましてやタバコを勧めることが友好の証のような文化を持ったこの国である。

 家族のために文化・習慣を変えられるか?

 家族や友人をとても大事にする中国人だけに非常に興味深い。

上海ワルツ:
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