テレビでの中継とは裏腹に、万博会場から離れた私の家の近所では、万博開幕なんぞどこ吹く風と今日も日常の風景が広がっている。
昨日の開幕式中継も、途中でちょっと家の外へ出てみたが、窓の外からチラ見える他の家のテレビも、ドラマなどを見ている家が多く中継を見ている人はわずかだった。
春節の花火と比べれば盛り上がり方は雲泥の差である。もちろん安全上の理由から爆竹は禁止されたのかも知れないが、それにしても近所は静かだった。
まあ市民から見たら万博などは期間限定の遊園地のようなもので184日間の会期中に1回見に行けばいいというスタンスなのかもしれない。
この盛り上がっていない風景に、上海に暮らす私としては逆にすこぶる安心した。
お祭りはお祭りとして否定する気はないが、お祭り騒ぎは会場だけで十分なのである。会場に行ったときだけ楽しめればよく、日常の生活まで入り込んできて欲しくない。
それにしてもこの静か振り、意図的な面もあるかもしれないがどうも主催者の旗振りほど万博に対しては盛り上がってない気がする。
この様子では入場者目標の7000万人はおろか、5000万人も危ういのではないか? 7000万人の目標を達成するにはコンスタントに毎日40万人平均の入場者数を必要とするが果たしてどうだろうか?
リハーサルで20万人でキューキューだった会場に40万人入るかもしれないと聞いたらそれだけで個人的には行きたくなくなる気がする。
そういえば上海人の友人の家族でさえ、万博の喧騒を嫌ってこの期間は香港に旅行をして上海から逃げ出していることを思い出した。結局そういうことなのである。