上海でコンサート情報を探っていると、やたらと久石譲さんの曲に出くわす。
出くわすというか、久石譲さんの名前を冠したコンサートが毎月のように開催される。
その演奏される曲目の中心は、やはり宮崎駿監督などのスタジオジブリで製作された映画の主題曲などである。
つまりジブリアニメへの人気が久石譲さんの名前に光があたるきっかけとなっていることは否めない。
しかしジブリ映画以外でも「菊次郎の夏」や「HANA=BI」、「キッズリターン」など北野武監督の映画の主題曲なども取り上げられていることからわかるように、ジブリアニメの付随品ではなく、久石譲さんの音楽そのものの魅力が聴衆に受け入れられているようだ。
そこには「日本人作曲家」などといった反日的なバイアスなどは微塵もなく、音楽そのものが素直に受け入れられ、親しみやすい音楽として受け止められている感じである。
ここは中国人たちの凄いところで、芸術やスポーツなどは国籍などに囚われず良いものを良いと褒める土壌がある。
以前このブログの「プレミア観戦天国」で書いたようにサッカー熱も同様に、自国の選手云々に関係なく国際的にレベルの高いものには素直に称賛を送る。
まあ音楽もサッカーも自国でそれほどすごい人を輩出していなといった事情もあるのかもしれないが、良いものに自国・外国云々のこだわりはないようである。
となりのトトロ(龍猫)や、紅の豚(紅猪)、魔女の宅急便、崖の上のポニョ、もののけ姫など、上海の聴衆はこれらの曲に耳が馴染んでおり、久石譲さんの音楽は大事にされているようである。