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上海ワルツNEW



2009年05月01日 開幕まであと1年!の上海万博は絶対に暑い・・・
いよいよ上海万博まであと1年ということになった。日本館の名称が決まったというニュースも確かに耳にした。各外国のパビリオンも次々青写真が出来上がってきているようだ。
このようにいろいろと小出しにニュースが伝わってくるが、まだまだ実感というものは少ないし、正直いって何が見所なのかはまだまだ伝わって来ないので期待という程のものはまだ膨らんでいない。
しかしとにかく来年の今日には始まるはずであり、この季節に万博が行なわれるということである。まだ5月初めだというのに最高気温は25度ほどになっている。既に外を歩くだけで汗ばむような陽気である。
そんなとき、ふと各パビリオンのデザインスケッチを思い出して、気になったことが出てきた。スケッチに出ている各館は確かに魅力的で素晴らしい未来的なデザインなのだが、果たして本当に機能的な建物なのかということである。
 平たく言い直せば、あの中は暑くないのかという疑問である。もちろん近代設備であるからして空調は考慮されてるいるに違いないが、どうもキラキラしすぎる建物が多く夏の日差しで照らされた時に、中の気温が上がってしまいそうな印象の建物ばかりである。さらに建物の外に目を向けると閑散とした木が植えられているだけのスケッチになっている。もちろんスケッチなので実際とは異なるかも知れないが、少なくとも木が生い茂っているようなイメージにはなっていない。

 つまり、パビリオンの中はともかく、少なくとも外では上海の夏の日差しに照らされて、地面のコンクリートの照り返としパビリオンの壁面の照り返しを受けながら歩かなくてはならない。これは想像するだけで厳しい環境になりそうだ。
 それでなくても上海の夏は非常に暑い。東京の夏も確かに暑いが、盛夏の上海はその比ではない。去年の夏、北京を歩き回った時に死ぬ思いをして暑い中を歩き回った記憶があるが上海はそれ以上である。
会場運営者は果たしてそこまで考慮して準備しているのだろうかと非常に心配になった。暑さの中で日射病で倒れる人がばたばたと出るのではないか?あるいは水分を取りすぎてお腹を壊し、トイレに行列が出来るのではないか?それでなくても中国はオフィスビルのトイレの数が少ない気がしており、全体的にトイレに配慮が足りないお国柄のような気がする。そんな中で間に合わなかった人が昔の習慣のままそこらへんに構わず●●●するのではないか?考えるだけで非常に心配になってくる。
 まあこの想定の中で救いとして考えられるのは黄浦江という川沿いでこの万博が開催されるということ。少なくとも内陸よりは川面を渡る風が涼を運んできてくれる可能性はある。でもこればっかりは想像でしかなく、暑さ自体は確実なので、状況をどこまで救ってくれるのかは未知数である。

 こうやって考えていくと、折角上海という現代の最先端都市でやる万博なのだから、実はヒートアイランド現象対策などの最先端の都市問題の解決といったようなことををもっと前面に押し出したテーマであるべきなのではなかったのかと考えてしまう。つまり各パビリオンもキラキラの建物ではなく、屋上緑化など都市問題の解決策の実験場のような場所であるべきではないのかと思うのだ。例えば建物の上に木を背負うような姿は、見た目にはそれ程スマートじゃないかも知れないが、それだけに逆にインパクトがあり、しっかりした主張を感じることが出来て、万博の出展として十分意義があったように思う。
 まあ高度経済成長真っ只中の中国がキラキラデザインを近代的だと考えるのは致し方ないかもしれないが、そそそろ成熟を見せてもいいと思われる日本の出展は、キラキラの近代化とは一線を画したもう少し大人の姿を見せても良かったように思う。
そう考えるとあのデザインはある意味時代遅れのような気がしてきて残念である。
 ましてや建物内を空調フル回転で暑さを乗り切ろうなどと考えているのだとしたら、環境国家として余りにも二流の対応であるが果たして実態はどうか?
 兎に角1年後、万博は始まる。
この暑い中でも私はやっぱり上海万博の会場の中に足を運ぶのであろうか?
今の時点ではちょっと自信がない。






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プロフィール

1971年千葉生まれ。大学時代は水戸で過ごす。
高校時代テレビで見た高泉淳子に影響され演劇の世界に踏み入れ、以後アマチュア劇団で舞台音響専門として過ごす。就職は一般企業にするものの、趣味が高じて休日にブライダルで音響活動を続け500組近くのカップルを見届けてしまう。
自身は無類のクラシック音楽好きで日本時代は年間120本以上のコンサートに通った時期もある。
 また旅好きでもあり、日本47都道府県はもとよりイギリス、フランス、スペインなど舞台を求めて世界を旅した。
 数年前一つの恋がきっかけで中国語を学び始め、上海に渡ってきた。
まったくの新天地で営業職に日々悪戦苦闘中。


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