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先日ちょうどIOCの委員が東京の施設を視察した時期に、それに合わせてなのかどうか知らないが上海の東京都民の会が開催されたので参加してきた。
毎月開催しているこの会であるが、是非この会でもオリンピックの東京への誘致を盛り上げようと、今回は結団式の名目で横断幕や、各PRパンフ、グッズを持ち込んでの会合となった。
結団式とはいえ、記念写真以外は特別なイベントはない会合ではあったが、この東京誘致を掲げるスローガンの中で、ちょっと気になる文言があった。
「日本だから、できる。あたらしいオリンピック」というスローガンである。
何故「新しい」が漢字ではないのかも気になるが、それ以上に「日本だからできる」といったところが気になる。確かにライバル都市があるので、差別化を図る意味があるのだと思うが、中国に暮らす我々にとっては、どうしても昨年の北京オリンピックとの比較を意識してしまう。
中国政府は北京オリンピックの大成功を喧伝しているが、日本人や多くの国にとって北京オリンピックは非常に後味の悪い大会であり、苦い経験として感じているように思える。
まあ無事開催され終了したともいえなくはないが、いろんな意味で失敗だったと感じさせられる部分が多い、そんな詰まらなさを感じたのが去年の北京オリンピックだった。
その去年の今年で出てきたのが、この東京大会誘致のスローガンである。どうしても「(中国にはできない)日本だからできる」と読みたくなってしまう。
中国のようないい加減な運営ではない、「快適な」環境で、しっかりした管理の下でハリボテではないオリンピックは、日本だからできる、と読んでしまう。
もちろん、敢えてそんなことを直接謳うはずもないが、北京大会の反省点を日本なら全てカバーできますというのが、今の東京のPR戦略のような気がする。
これは日本製品の優秀さをPRするときと同じ戦略だが、果たして工業製品と同じように、中国製品との差別化で活路が見出だせるのか? まだまだ生々しい昨年の北京オリンピックのネガティブな印象が、果たしてどれだけ東京大会誘致の追い風になるのか?
結果がでるのは今年10月2日である。2016年オリンピック開催地決定まであとほぼ5ヶ月、それまで追い風は吹き続けるか?是非見守りたい。