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2009年04月04日 部屋探しの鉄則
 もしかすると、会社のオフィスが引越しをするかもしれないというので、なるべく通勤時間を短くしたい私は、先週会社の移転候補地の周辺の住宅環境の下見をしてきた。 
 まだ会社の移転自体が決まってないので、今回は不動産屋の門をたたくことはせず下見に専念したのだが、過去の友人の部屋探しを手伝った時に得た教訓から、ある一つの鉄則を思い出した。
 個々の部屋のチェックポイント云々は部屋の水準が違えば全て違ってくるのだが、もしローカルの不動産屋さんを相手にするのであれば、共通に言える忘れてはならない鉄則である。

 それは、必ず提示家賃の低い部屋から見るということ。

何故なら、仲介の不動産屋さんは仲介手数料にしか興味が無く、アフタフォローなどほとんど一切興味がないからだ。
 つまりなるべく高い家賃の物件を紹介したほうが、彼らの利益が増えるので、どんどん高い家賃の物件を薦めてくる。


 もちろんこちらだって予算があるので、なるべく家賃は安く抑えたくそんな誘惑には一一乗ってもいられないのだが、敵の不動産屋もそこは商売なので駆け引き上手である。
 もしこちらが5000元の予算を提示すると、相手は間違いなく6000元程度の部屋を紹介してくる。もちろん予算を盾に強行に断れば、相手もそれ以上の無理強いをしてこないが、万が一部屋を見てから考えたいというような態度を示せば、こちらの予算キャパが6000元でもOKであることを知らせてしまうことになる。
 するとどんどんその6000元程度の部屋を紹介してくる。最初に言った5000元という数字などどこかに飛んでしまうのである。
従って不動産屋に予算を示すときは予め予定の予算枠より一ランク落として不動産屋に告げるほうが話はスムーズに進む。
 そしていよいよその実際に部屋を見せてもらうときは、必ず家賃の低い順に見せてもらうのが大鉄則だ。そうしないと万が一高い部屋で取り敢えず納得したときに、それより家賃の低い部屋を紹介してもらえなくなる可能性があるからだ。
 どうしても見たいと言っても「あの部屋はもうない。もう契約が決まった」と嘘をつかれてしまう。こうなるともうお手上げである。不動産屋は「この部屋と値段に満足したのであればこの部屋で契約しなさい、あなたのために私は時間を使ったのですよ」といわんばかりである。

 もちろん、そんなものはほとんど方便であるに決まってるのだが情報は敵が持っているのでこちらはそれ以上のことは言えない。あとはその不動産屋と決裂する勇気があるかどうかに掛かってくる。
 従って、部屋を見せてもらうときは必ず安い部屋から順番に見せてもらうようにする。納得する部屋を見つけたらなるべく迷わずにその部屋に決めてしまうのが鉄則である。もしその部屋をキープして、もっと高い部屋を見たいと思った場合でも安い順に見ていけば少なくともその部屋の情報は分かっているわけであるから、後であの部屋はもうないといわれたら「じゃあ契約しない」と言いきる勇気が持ちやすい。もしそれが言えれば、次の日にでももう一度同じ不動産屋を訪ねればその納得していた物件を再紹介してくれる可能性は高い。
 このように、安い家賃の部屋から見るのが部屋探しの鉄則なのだが、そこは敵も心得ていて、ほぼ必ず高い部屋から見て回ろうと誘導してくる。
 そうならないよう予め安い部屋から回りたいと不動産屋に強く言う必要がある。なんだかんだ理由をつけて高い部屋から回ろうとするかもしれないがそんな不動産屋は要注意である。

 とにかく中国の不動産屋は、日本の不動産のように手間を惜しまない態度では接してくれないので、複数の選択肢の中から選ぶといった余裕を与えてくれない。その部屋で契約するかしないか即答を求められる。日系の不動産会社のように高い仲介料ではない分、薄利多売なので、契約するかしないか分からない相手に時間を浪費する余裕などないのである。ちなみに中国の不動産紹介料は法律で決まっていて家賃の35%を借主と家主から各々取る。日本の家賃1~2ヶ月分という相場に比べると確かに大幅に安い
 従ってどうしても迷う場合は、部屋が決まってもいないのに手付けを求められる場合もある。不動産会社の手数料確約念書といったもであろうか?それを払わないと今後部屋捜しをお手伝いできませんというようなことになる。
 まあ上海にある日系の不動産は、こういうことはなく日本と同じように納得するまで部屋探しに付き合ってくれる場合が多いが、その分紹介手数料が高く日本並みである。(本当は法律違反であるが。)
 どっちが良いとも言えない部分だが、予算を抑えたければやはりローカルの不動産屋に頼らないわけには行かず、とにかくお金の面で甘さを見せず、迷いを見せず即断即決をすることが上海の部屋探し、いやビジネスの基本であり鉄則だといえる。
 






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プロフィール

1971年千葉生まれ。大学時代は水戸で過ごす。
高校時代テレビで見た高泉淳子に影響され演劇の世界に踏み入れ、以後アマチュア劇団で舞台音響専門として過ごす。就職は一般企業にするものの、趣味が高じて休日にブライダルで音響活動を続け500組近くのカップルを見届けてしまう。
自身は無類のクラシック音楽好きで日本時代は年間120本以上のコンサートに通った時期もある。
 また旅好きでもあり、日本47都道府県はもとよりイギリス、フランス、スペインなど舞台を求めて世界を旅した。
 数年前一つの恋がきっかけで中国語を学び始め、上海に渡ってきた。
まったくの新天地で営業職に日々悪戦苦闘中。


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