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上海ワルツNEW



2009年01月16日 生活防衛のための結婚という選択
 先日ラジオの中で、某結婚紹介会社の行った新成人に対するアンケートで将来世の中が悪くなると考えている人が50%以上もいて、日本の若者が将来に不安を抱いているという結果がでたという話がニュースになっていた。
 まあ現在の経済状況や、今後の人口動態の推測を見ても新成人が将来を不安を抱くのは無理もなく当然のように思える。
 ただ、このアンケートに設問のひとつに結婚についての回答傾向でひとつ気になったものがあった。<結婚への意識は80%が「したい」と回答したものの「経済不安などから結婚を先延ばしにする傾向が強まると思う」とした人が66%に上った。【共同通信】>という内容である。
 当たり前の回答ようにも聞こえるが、実はこの考え方は日本独特の考え方であるとラジオの出演者がコメントしていた。
 いつの頃からか、「結婚」とはお金がかかるものであり、お金をたくさん稼いでなければ結婚できないという考え方が蔓延しつつあるが、実は結婚とは生活防衛手段の一つの選択肢であり、一人で生きていくのは大変だが二人で協力すれば何とかなるというのが、世界的な結婚に対する意識の傾向だという。日本は特に男性が生活の全てを支えなければならないという考え方が支配的で、実際の社会構造もそれを前提に出来上がっている。


 しかしながら確かに結婚式を挙げればそれなりの費用を必要とするが、生活に関する限り日常のランニングコストを考えれば一人より二人で生活したほうが生活費は抑えられる。
 にも関わらず、お金を理由に結婚をしないというのは実は本末転倒で、実質上の問題ではないように思える。
 この考え方の裏には結婚=盛大な結婚式のイメージや結婚後の豊かな家庭生活に対する過剰な期待など他人に対する見栄の部分が非常に見え隠れする。
 当然結婚を打算で考えれば、相手によって男も女も結婚後のそろばん勘定が違ってくるのでその点で相手選びに慎重になるということはわからなくないが、タイミングの問題で言えば世の中の経済の回復を待っても、実は一人あたりの生活の苦労は少なくならない。
 もちろん一人なら身軽にどんな状況でも耐えられるという考え方もあると思うが、実際上人間一人ではそんなに強くない。昨今自殺者が増えているのは、家族の結び付が生きる延びるという目的で結びついていなかったり、孤独であることからおきている社会現象のようにも思える。自尊心や虚栄心ばかりが強すぎて「生きる」という目的に繋がってないのである。

 上海で暮らしていて感じるのは、上海人や中国人の結婚観は、まあ虚栄心も多分にありそうだがその根底には「生きる」貪欲さがあり、日本人の見栄で支えられている結婚観とは根本的に違うような気がする。
 今回の経済危機を機に日本人の結婚に対する意識が今後変わって行く可能性があるのではないかと、ラジオの出演者がコメントしていた。さてさてどうであろうか?







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プロフィール

1971年千葉生まれ。大学時代は水戸で過ごす。
高校時代テレビで見た高泉淳子に影響され演劇の世界に踏み入れ、以後アマチュア劇団で舞台音響専門として過ごす。就職は一般企業にするものの、趣味が高じて休日にブライダルで音響活動を続け500組近くのカップルを見届けてしまう。
自身は無類のクラシック音楽好きで日本時代は年間120本以上のコンサートに通った時期もある。
 また旅好きでもあり、日本47都道府県はもとよりイギリス、フランス、スペインなど舞台を求めて世界を旅した。
 数年前一つの恋がきっかけで中国語を学び始め、上海に渡ってきた。
まったくの新天地で営業職に日々悪戦苦闘中。


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