いつもの友人との食事で、予定していたお店がとっくにつぶれていたことがわかり、仕方なく食事場所を探してぶらついていたところ、伊勢丹の梅龍店の裏手に精進料理のお店を発見し、メニューを見たところそれほど高くなかったので今日の夕飯は精進料理とあいなった。店内の雰囲気は日本の仏事料理を想像させるような精進料理の堅苦しさは全くなく、どちらかというとカフェのような非常に明るい雰囲気のモダンなデザインのお店のインテリアである。
店の看板にヴェジタリアンスタイルと書かれているように、タバコなし、酒なし、卵なし、肉なしを徹底しているらしく非常にスタイルを貫いたお店のコンセプトとなっている。
この4つのナシの代わりといってはなんだが、有情、有意、有滋、有味という言葉が一緒に並べられてて、つまり気持ちがこもってて、意味があって、体によくて、おいしいと言いたいらしい。
メニューにもその料理コンセプトが細かく書かれていて、化学調味料を使用しないとか、綺麗なお水や有機野菜を使っているなど、このお店のヴェジタリアンスタイルの徹底振りがいろいろと書かれていた。
日本語も併記されていいたが、どうにも英語から翻訳ソフトでも使って訳したような不器用な日本語である。ただ精進料理など食べ慣れない自分にとっては、中国語だけでは理解できないメニューも多く、こんな日本語でもメニューの内容をうかがい知るには大変有難い。
さてさて、肝心な料理のほうであるが、基本的な中華料理の料理スタイルを基本にしたメニュー構成で、魚風の料理や水餃子など、これが本当に精進料理で再現できるのかと思うほどバリエーションに飛んでいる。
中でも友人がかなり感心していたのはエビの炒め物に似せた料理である。歯ごたえなどが非常にエビに似ていて、友人が「エビだ!」と感激していた。
私が気に入ったのは「年年有余」という魚の揚げ料理に似せた料理。だんだん余裕が出てくるという名前の料理だが、余という字が魚と同じyu2という発音なので縁起物の料理である。恐らくナスと芋か何かを使って作られた料理で非常においしいかった。
そのほか、ハムのようなキノコ?の入ったチャーハンなど、どの料理を食べてもおいしく、食材当てなどが楽しく全く飽きない。精進料理が楽しめる料理だというのはこのお店に来てはじめて知った。
ただし、精進料理に対してちょっと誤解していた面もあった。
精進料理は、肉類を一切使ってないということで非常にヘルシーであるというイメージがあったのだが、ある意味それは間違いで、料理の調理法によっては油を大量に使って炒めたり揚げたりしているので、選ぶ料理によっては必ずしもヘルシーとは言い切れず、しかもおいしいので食べ過ぎてしまう。
従って、精進料理は必ずしもダイエット料理とは言えず、ダイエットを心がける人は料理をそれなりに選ぶ必要があるかもしれない。
しかししかし、予想に反して大満足の精進料理でした。
棗子樹
上海市奉賢路258号
021-6215-7566
お店の場所は
ここ