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上海ワルツNEW



2008年08月21日 誇り高きアジアのエース上野由岐子投手
女子ソフトボールの日本のエースの執念が、金メダルに望みを繋いだ。
昨日の午前のアメリカ戦で延長9回を投げぬきながらも破れ、3位決定戦に回りながらも、同日夜のオーストラリア戦にも連投。連続の延長戦にも関わらず最後まで投げぬき、再び金メダルへの挑戦権を勝ち得た。
 かつてアジアンエキスプレスと呼ばれ、剛速球を武器に日本代表に選ばれた彼女は、今大会、押しも押されぬ大エースに成長し大車輪の活躍でここまでこぎつけ、日本チームのかけがえの無い生命線ともなっている。
 彼女は投球そのものの凄さもさることながら、彼女をエースたらせているのはその堂々としたマウンドさばきである。マウンドに立つ彼女はメジャーリーグの大投手でも滅多に見ないような堂々とした風格にあふれ、守る側に安心感を与える頼もしい存在に見える。グラウンドを離れた彼女の素顔は飾り気のない普通の女の子にしか見えないのだが、いざマウンドに立つと別人のようなたくましさを見せる。女性に言う褒め言葉ではないが、一家の大黒柱の「お父さん」のような存在感だ。
 昨日の二試合の合計21イニングは通常の3試合分である。それを一日一人で投げぬいた彼女。途中、何度もピンチを迎えて心が折れかけたときでも自分に鞭打って立て直した。日本チームはもう彼女に運命を預けるしかない状況である。恐らく今日の決勝も登板するであろう。
 

 連投の疲労がある上、予選と昨日と二度敗れている米国相手の決勝だが、今度こそ三度目の正直である。 実は彼女のオリンピックの金メダルへの挑戦も腰椎骨折で断念したシドニーを含めれば三度目なのでこちらも三度目の正直である。

 ロンドン五輪から実施競技から外れるソフトボールには4年後は無い。少なくとも今の選手達にとっては、泣いても笑ってもオリンピックのソフトボール試合は今日の決勝戦これっきりである。だったら笑っていただきたい!
 実は準決勝で敗れたお陰で、最後のオリンピックの試合をアメリカの選手より一試合多く出来ることになった日本代表の彼女達は運がいいように思う。なぜなら最後までたっぷりオリンピックを楽しめるのだから。
 さあ運命の舞台の最終章は今日(21日)の現地時間18時30分開始である。アジアのエースの執念に有終の美を願う!






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プロフィール

1971年千葉生まれ。大学時代は水戸で過ごす。
高校時代テレビで見た高泉淳子に影響され演劇の世界に踏み入れ、以後アマチュア劇団で舞台音響専門として過ごす。就職は一般企業にするものの、趣味が高じて休日にブライダルで音響活動を続け500組近くのカップルを見届けてしまう。
自身は無類のクラシック音楽好きで日本時代は年間120本以上のコンサートに通った時期もある。
 また旅好きでもあり、日本47都道府県はもとよりイギリス、フランス、スペインなど舞台を求めて世界を旅した。
 数年前一つの恋がきっかけで中国語を学び始め、上海に渡ってきた。
まったくの新天地で営業職に日々悪戦苦闘中。


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