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2008年07月01日 上海ディズニーランドの噂 実現の壁は世界一の戦い


以前から噂の絶えない上海のディズニーランドだが、これは単なる噂ではなく現実的な構想としての交渉は進んでいるらしい。ただし、まだまだ合意に至っておらず、その実現性はまだまだ不透明といわれている。既に浦東空港の近くに土地は用意されていると言われ、地下鉄など交通機関の青写真もあるらしいが、現実的にはまだまだ壁が高いようだ。

その理由の一つに、香港ディズニーランドの状況が影響しているようである。私は行ったことはないが、従業員、観客ともにディズニー本社の要求するマナーのレベルに達していなく、園内にゴミが散らかり、行列の割り込みや従業員による客の贔屓、接客態度など、夢の楽園の品位が保てず、単なる普通の遊園地に陥ってしまっているような状況がある。
 また知り合いの東京ディズニーリゾートの関係者に聞いた話によると、やはり中国本土から来た観客はやはり評判が悪く、トイレで水を流さない、洋式便座に靴で上がる、使ったトイレットペーパーを便座の周りに捨てる、レストランでテーブルの上にゴミを散らかす、路上でつばを吐く、喫煙するなどといったマナーや文化の違いに起因する苦情が多くあるという。
 大陸に比べ比較的マナーの良い香港や、東京に来る富裕層でさえこの状況なのだから、上海でディズニーランドを開園すれば、どんな状況になるのかは想像に難くない。




 さらに上海でディズニーランドを開園するにあたっては、キャラクター商品の著作権管理も非常に大きな問題らしい。ご存知のように中国はコピー商品天国で、時計、鞄などブランド品からDVD、果ては遊園地そのものにいたるまで商標登録を持たない贋物が大量に横行し、その市場は本物の市場をはるかに凌ぐといわれ、こんなところに上海ディズニーランドを開園したらどんな状況になるかは火をみるより明らかなのである。
 ディズニーは世界でも稀なほどキャラクターの肖像権管理にうるさい会社である。東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランド社でさえ、ミッキーなどのキャラクター使用に際しては米ディズニー本社の許可を取る必要があり、簡単にアトラクションやグッズを販売できないのである。そのコントロール範囲は雑誌の表紙や旅行社のパンフレットの記述までに及ぶ。以前JALが東京ディズニーリゾートのオフィシャルエアラインになった際、デイズニーキャラクターを描いた機体が登場したが、「ディズニー」の名前は米側の許可が取れず結局「ドリームエクスプレス」の呼称になってしまったのは有名な話だ。



 その世界一キャラクター管理の厳しい会社と、世界一のコピー大国が交渉しているのだから、この構図は非常に面白い。恐らくディズニーは、その市場性を値踏みしている段階にある。コピー商品をいかに防いでディズニーの利益を損なわず開園するか?夢の楽園とは言えども、結局はビジネスであるから、潜在的な市場の大きさはあるもののまだまだ国が成熟していないため、私の予想ではリスクの高い現段階では投資をしないと思われる。
 また中国側の事情としても、上海万博以降の経済的な刺激剤として、ディズニーという切り札は取って置きたいという思惑があるように思う。
 従って上海の地にデイズニーの名が登場するのは早くても2015年くらいになるのではと私は予想している。上海の2015年といえば、ベビーブームといわれる今年生まれた子供たちがちょうど小学生になる頃であり、デズニーの狙うマーケットとしては格好の状況で狙い時である。
 この予想があたるかどうか分からないがその頃までには市民マナーも今よりは成長しているはずで、綺麗な上海ディズニーランドもなんとか実現できるのではないかと私は期待している。
(写真は両方とも東京ディズニーリゾート付近で撮影)
  






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プロフィール

1971年千葉生まれ。大学時代は水戸で過ごす。
高校時代テレビで見た高泉淳子に影響され演劇の世界に踏み入れ、以後アマチュア劇団で舞台音響専門として過ごす。就職は一般企業にするものの、趣味が高じて休日にブライダルで音響活動を続け500組近くのカップルを見届けてしまう。
自身は無類のクラシック音楽好きで日本時代は年間120本以上のコンサートに通った時期もある。
 また旅好きでもあり、日本47都道府県はもとよりイギリス、フランス、スペインなど舞台を求めて世界を旅した。
 数年前一つの恋がきっかけで中国語を学び始め、上海に渡ってきた。
まったくの新天地で営業職に日々悪戦苦闘中。


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