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上海ワルツNEW



2008年05月30日 少しずつ賢くなる中国人
 昨年、今のビルに引っ越してきた当初、エレベーターを利用する中国人のマナーは最低だった。降りる人を待たず乗り込もうとするし、重量オーバーのブザーがなるまで取り敢えず乗り込もうという人が大勢いた。

 しかし、1年が過ぎ、彼らが少々経験を重ねて賢くなったのか、こういった傾向は見られないようになった。
 まずエレベーターが到着しても、下りる人のスペースを空けて待ち、人が下りるのを待ったり、乗っている人がいないのを確認してから乗り込むような習慣に変わりつつある。またエレベーターに乗り込む人数が多いなと感じたら、素直に諦めて次のエレベーターを待つ対応に変わりつつある。
 無理矢理乗り込んでブザーを鳴らして時間を余分にかけてしまうより、素直に次のエレベーター待つほうが時間的に無駄がないということを学んだようだ。
そのお陰で、最近では滅多に重量オーバーのブザーはならなくなった。


 このマナー改善の現象は地下鉄にも同様の傾向が見られる。以前は列車が到着したら降りる人を待たず無理矢理乗り込んでいたような状況が目についていたが、降りる人を待つような習慣に変わりつつある。
 上海にいる中国人は都会的マナーを学びつつある感じだ。

 しかしこれが中国の全国的傾向かというとまだまだそこまでは言えないようだ。
その証拠に地方から到着したばかりの人が大勢乗り降りする地下鉄の上海駅や人民広場の駅では、まだまだ降りる人関係無しに我さきと乗り込んでくる乗客がまだまだ多数いる。たいていは大きな荷物を抱えているような地方から到着したばかりの人のようだ。
 どこの国でも田舎者はマナーが悪いといわれ、都会人はマナーが正しいといわれている。


 マナーが悪いといわれてきた中国人ではあるが、経済成長の過程を経て少なくとも上海では徐々にそのマナーを形成しつつある。
 まだまだそのマナーが全国に波及していないのは残念だが、マナーは教えることよりも、結局は経験則で習得していく社会のルールのように思うので、時間の経過を待でば上海のように変わっていく可能性は十分ある。しかも上海の例で言えば、その速度は日本人のそれよりも変化が早いように思う。
今後もどんどん賢くなるであろう中国人に抜かれないようマナーに関して良いといわれる日本人として足元を見つめなおしたい。






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プロフィール

1971年千葉生まれ。大学時代は水戸で過ごす。
高校時代テレビで見た高泉淳子に影響され演劇の世界に踏み入れ、以後アマチュア劇団で舞台音響専門として過ごす。就職は一般企業にするものの、趣味が高じて休日にブライダルで音響活動を続け500組近くのカップルを見届けてしまう。
自身は無類のクラシック音楽好きで日本時代は年間120本以上のコンサートに通った時期もある。
 また旅好きでもあり、日本47都道府県はもとよりイギリス、フランス、スペインなど舞台を求めて世界を旅した。
 数年前一つの恋がきっかけで中国語を学び始め、上海に渡ってきた。
まったくの新天地で営業職に日々悪戦苦闘中。


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