小三治師匠の芝浜

 以前から大晦日の度に何度か触れていることではあるが。大晦日を舞台にした落語は多く、その中でもやはり代表作とされている名作は「芝浜」であろうか。

 山手線の新駅名になり損ねた恨みがあるわけでもないが、大晦日は芝浜を聴きたくなる。

 昔から色んな噺家が演じ、YOUTUBEなどには多くの名演が残っており、噺家が各人各様の演出を加え演じている。

 特におかみさんが告白をするところがこの話のハイライトであり、過去の名人の噺はここの語りの場面で胸打たれる。

 ただ私の一番の贔屓である柳家小三治師匠の海辺の情景描写も実は捨てがたい。

 冬の日の寒さの空気感や、夜明けを待ち煙草を吸いながら海風を感じる姿の表現は、情景がそのまま浮かんでくる。

 台詞の中に自然と情景が組み込まれているために、説明的な「くどさ」もなく雰囲気が伝わってくるのである。

 まあそのほかの談志さんや志ん朝さんの噺も人の情という意味では表現力は高いが、空気感まで感じさせてくれるのは小三治師匠だけだという気がする。

 さすが人間国宝にまでなった噺家である。

 ということで、今日は小三治師匠の芝浜を聴いて大晦日の空気感を感じて過ごす予定である。





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