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中国で初めての東枕

 引っ越してみて初めて気が付いたことであるが、今回の部屋はベッドの向きが東枕になっている。

 以前の部屋は西枕だった。

 過去を振り返って思い出してみると、中国へ来て以来ずっと西枕で寝ていたような気がする。

 いや、それ以前の日本の生活でもあまり東枕では寝た記憶がないような気がする。

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 まあ、枕が西だとか東だとかそんなことにどれだけの意味があるのかどうか分からないが、占い的なまやかしで考えると言うよりも、人間の身体が地球上で生きる物質であり、その60%が水分であることを考えると、休息を取る時間の寝る角度が、身体に何らかの影響を与えることがあっても不思議ではないと考えることはできる。

 そして南北には地磁気があり、血液の流れに影響を及ぼしたりフレミングの法則のような物理的反応が僅かでもそこにあると考えれば、昔から言われていること全てが迷信とも言い切れず、睡眠の向きというのは気にすることが可能ならば、従っていても損はないような気がする。

 そこで、ネットで色々調べてみると、まず俗に言われる北枕というのは実は決して悪くないようで、頭寒足熱の考えに沿えば理に適っており、死人を北枕に寝かせるのは再生を願うからだと言う事で決して悪い事ではないようだが、死人を寝かせる方角という悪いイメージだけが残ってしまい忌み嫌われているのが実態のようである。

 そして西枕も悪くない方向だが、熟睡しやすく落ち着きを得られる方角と言われる。
 これは推測してみれば西日の当たっていた西側は布団が温められており眠りやすく、朝日がなかなか顔にあたらないから目覚めが遅くなるからではないかと推測している。 で、肝心の東枕だが発展の方角とか早起きの方角とも言われるようだ。

 これは東からの太陽が早く顔に当たるため、早く目覚めることができ、早く目覚めれば早く仕事を稼働できれば人より早く発展できるし健康的な生活を送れる、そんな理由があるのではないかと思っている。

 残念ながら今度の新居には東側には窓がないため同様の効果が期待できるか分からないが、ただ東側に頭があるということは、地球の自転方向を考えると体は頭の方向に動いていることになり、血液の流れは足へ向かい頭に血が上らない状態で眠れるのではないかと考えると、それが健康に何らかの影響を及ぼす面もあるような気がしている。

 最後に南枕だがあまり熟睡できない方角のようで、常に顔に光があたっているからなのか栄誉・人気とかという面では良いようだが健康には不向きらしい。

 まあ信じるか信じないかはともかく、今回枕の向きが変わったことで何らかの発展があることを是非祈りたい。


空港を意識する帰巣本能

 このことは特に日本人だけとは限らないと思うが、我々が自分の故郷以外の街に住むときに、住居選びで必ず意識するのが故郷への帰り道だという気がする。

 つまり上海にいる日本人であれば、上海浦東国際空港への経路を常に意識して住む場所を決めているような気がするのである。

上海浦東国際空港の日本航空機

上海浦東国際空港の日本航空機

 まあ会社で住居をあてがわれている人はそれを自ら意識することは少ないかも知れないが、実際空港に通ずるルート上の便利なところが現地の住居として選択されるケースが少なくない。

 故に上海に住む日本人に地下鉄2号線沿線が人気なのは、空港に直接通じたりリニアに接続するからである。
 即ち日本へ帰るのに都合の良い場所であるからであり、単に沿線が発展しているから集中しているのではないと思われる。

 もちろん古北・虹橋地区に日本人に関連する施設や住居が集中しているのは、かつて上海虹橋国際空港が上海のメインの空の玄関であったことと大いに関係があるし、現在浦東に多くの日本人が住み始めているのも背後に浦東国際空港の存在の影響は非常に大きいであろう。

 古くは日本の旧租界地が、黄浦江沿いの埠頭の近くだったことも同様の意識があったと考えるに難くない。

 さらに日本人ばかりでなく、現在龍白地区に韓国系や朝鮮族が多く住みついているのも虹橋空港の存在なしには語れない気がする。

 そしてこの傾向は何も外国へ居住する場合に限らず、日本国内で故郷以外の土地に住む場合にも当てはまる気がする。

 例えば日本の東北出身の人は東京の北側に住む傾向があり、西側から来た人はやはり東京の西側、つまりそれぞれ故郷に近い位置を選択しているような印象がある。
 もちろん会社の都合で転勤している場合はこの限りではないが、自由に選択が出来る場合はそういう傾向があるように見える。

 逆に、そういった故郷への経路に近い場所への選択をしなくなったときは、故郷への未練を捨ててしまったような場合ということになる。
 つまり上海にいる日本人で言えば、2号線などの空港への導線から遥かに離れた場所に居を構える選択をするということは、帰郷の優先順位が低くなっていることを意味し、現地に当面住み着くことを決め込んだような人だという気がするのである。

 さて、こういった人間の帰郷意識が影響する住居選択の傾向を見つけてみて、現在の自分の部屋探しの基準を考えていくと、やはり空港へ出るのに不便な場所に住むのはできれば避けたいという意識がどこかにあることに気が付く。

 つまり地下鉄2号線沿線から遠く離れるのは心情的に相当勇気のいる決断という意識がどこかにあり、やはりなるべく帰国の際に便利な場所がいいという意識になっている。

 例えタクシーで一気に空港という選択を含めたとしても、やはり空港に出やすい場所を意識して部屋探しをしようとしている自分がいるのである。

 まあそういう自分にちょっと安心感もあり、上海生活に対する覚悟不足なのかなぁと感じる面もなくはないのである。